プラント設備のしくみを考える「設計職」と、その設計が安全かどうかを数値で検証する「解析職」。
どちらも、設備の正しい稼働を支えるために欠かせない仕事です。このページでは、それぞれの役割や仕事内容、向いている人の特徴を紹介します。
「自分にはどちらが合っているかな?」そんな視点で読み進めてもらえたら嬉しいです。
設備を使う人のことを考えて、形にしていく仕事です。現場で実際に作業をする人が「ここ、通りやすいな」「点検しやすいな」と思えるように、どこに何を置けば安全で、使いやすくて、効率的かを考え、図面にまとめていきます。
翼エンジニアリングサービスの設計職が担当するのは、発電所や水処理施設、化学プラントなどに必要な配管や装置の配置です。たとえば、「このタンクとポンプをどこにつなぐ?」「作業動線に配管がかぶらない?」「ここに人が入れるスペースある?」など、現場での“使われ方”をイメージしながら、ひとつひとつの設計を積み上げていきます。実際の設計は、2D・3DのCADソフトを使って行います。作業はパソコンの前ですが、頭の中には常に、現場の景色があります。
図面は、そのまま現場の“指示書”になります。だからこそ、ただキレイにまとめるだけでなく、実際に“施工できるかどうか”を考えながら描くことが大切です。設計職は、装置メーカー・工事担当・現場スタッフなど、多くの関係者と調整を重ねながら、図面を「現場で使える図面」に仕上げていきます。
設計された設備が「このまま実際に使って大丈夫か」を、数値で検証するのが解析の役割です。現場で働く人が安心して使えるように、荷重や圧力、温度差、地震など、さまざまな条件をもとに、安全性を確かめていきます。
担当するのは、プラント設備の構造解析です。たとえば、「この配管は重みに耐えられる?」「地震でゆがんだりしない?」「つなぎ目が壊れない?」など、実際の稼働中に起こりうる負荷をシミュレーションソフトで再現し、図面に隠れた“見えない危険”を見つけ出します。
検証の結果、問題が見つかれば、その原因を特定し、設計チームにフィードバック。ただの“ダメ出し”ではなく、「どこをどう直せば安全になるか」を一緒に考えていく──だから、解析は設計のパートナーとして、密に連携しながら進めていく仕事です。
解析の判断なしに、設備はつくれません。この図面で本当に現場が動くのか。構造的に安全か。“最後の確認役”として、責任を持って答えを出す──それが、解析職のプロフェッショナルとしての使命です。